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17世紀から19世紀にかけての300年間で、コーヒー栽培は世界中に広まっていきました。
アラビア半島からインドネシアへ、カリブ海の島々へ、中南米諸国へ。
しかし、それは人々の平和な営みの産物ではなく、ヨーロッパ諸国による過酷な植民地支配と、熾烈な覇権争いの結果によるものでした。
オランダ、イギリス、スペイン、ポルトガル、フランス……。
この時代、列強はこぞって植民地の獲得に乗り出し、武力と経済力、あるいは宗教の力によって、先住者たちから父祖の土地を奪い取っていったのです。
それがこの時代の国家的正義でした。
![]() ![]() そんなわけで、ドイツ人のコーヒー好きは今も昔もかなりのもの。 ドイツを代表する作曲家で、音楽の父として知られるJ・S・バッハも大のコーヒー好きで、コーヒー・ブームを題材にした楽曲まで残しています。 作品はカンタータと呼ばれる歌劇で、流行のコーヒーに夢中になっている娘とその父親とのコミカルな掛け合いで構成されています。 ![]() カンタータ211番(BWV211)~ J・S・バッハより この作品には正式には「Schweigt stille, plaudert nicht(おしゃべりをやめて、お静かに)」というタイトルが付けられていますが、 一般には「コーヒー・カンタータ」として知られています。 ドイツというとビールのイメージの方が強く、あまりコーヒーを連想することはできませんが、 じつは今日、ドイツはアメリカに次ぐ世界第2位のコーヒー消費国。 そんなドイツ人のコーヒー好きは、じつは200年以上も前にすでにはじまっていたのです。 |