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現在、コーヒーを生産している国は世界に60数カ国。
ブラジル、ジャマイカ、タンザニア、インドネシア…。
これらのコーヒー生産国は、すべて南回帰線と北回帰線に挟まれた帯状の地域に点在しています。
そのためこの地域は、一般に「コーヒーベルト」と呼ばれています。
ふつうコーヒーは、この赤道を中心に南北25度の幅で地球を一周する「コーヒーベルト」
の外では栽培することができません。
コーヒーの栽培、それも良質な豆を得るためには、平均気温15~20度で霜の降りない気候と、 年間平均1500~2000ミリの雨量、そして肥沃で水はけのよい土壌が欠かせません。 したがってコーヒーベルトの中にあっても、 実際にコーヒーの栽培ができる場所というのはかなり限定されてしまいます。 また、地理的・気象的条件を満たしていたとしても、病害虫や異常気象などの心配はつねにあり、 生産者にはかならずしも一定の収穫が約束されているわけではありません。 コーヒーはこうして、限られた地域の限られた気候の中で、 さまざまな障害を克服して生産されているわけです。 しかしそれにもかかわらず、コーヒーの木が実をつけるようになるのには苗を植えてから4~5年後。 またやっと収穫を迎えたとしても、1本の木から1年間に採れるコーヒーの量は、 ローストにしてわずか500グラム程度にすぎないのです。 |